教員採用試験の面接で問われるのは、話す力だけじゃない。
もっと深く、相手に届く「伝える力」が試されている。
そのカギになるのが、非言語コミュニケーションだ。
非言語コミュニケーションとは、声のトーン、目線、表情、姿勢、身振り手振り──
つまり、「言葉以外」で自分を表現するすべてを指す。
たとえば。
にこやかな笑顔で「生徒に寄り添いたいです」と語るのと、
無表情で棒読みで言うのとでは、受け取られ方がまるで違う。
面接官は、あなたの言葉の「裏側」まで見ている。
そこに嘘がないか、熱意が滲んでいるか、本気で教員を目指しているか。
じゃあ、どう使うか?
まず、目線。
質問されているときは、必ず面接官の目を見よう。
怖ければ、眉間あたりを見てもいい。
うつむいたり、キョロキョロすると、
「自信がない」「信用できない」という印象を与えてしまう。
次に、姿勢。
背筋はピンと。椅子には深くもたれず、やや前傾姿勢を意識する。
「あなたの話をちゃんと聴いていますよ」
というメッセージを、体全体で伝えよう。
そして、表情。
柔らかい笑顔を忘れない。笑顔は、言葉よりも心を動かす。
緊張して口がこわばるなら、面接室に入る前に深呼吸。
顔の筋肉をやさしくほぐしておく。
さらに、声。
ハキハキ、明るく、ゆっくり話す。
早口は焦りのサインに見えるから要注意。
「一言一言、相手に届ける」つもりで声を出そう。
最後に、ジェスチャー。
手は自然に動かしていい。ピタリと固めると、逆に不自然。
ただし、大きすぎる動きはNG。
少しだけ手のひらを見せると、「開かれた人」「誠実な人」
という印象を持たれやすい。
非言語コミュニケーションは、意識しすぎるとギクシャクする。
大事なのは、「面接官に好かれよう」と思うより、
「この学校、この子どもたちの力になりたい」という本音を、
身体ごと伝えにいくことだ。
言葉にならないものが、言葉以上に響く。
それが、非言語の力。
あなたの「未来の先生」としての本気を、言葉以外でも届けにいこう。
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