教員採用試験の面接で、ただ「思い」を語るだけでは、弱い。
大事なのは、エピソードで語ることだ。
でも、ただ話せばいいわけじゃない。
エピソードには、「使い方」がある。
これを知らないと、せっかくの経験も、ただの思い出話になってしまう。
じゃあ、エピソードトークをどう使うか。
まず、結論から逆算して選ぶ。
面接官が聞きたいのは、あなたの人柄や考え方。
エピソードは、「それを裏付ける証拠」として使う。
つまり、話のゴールを先に決める。
たとえば、
「私は、子どもの挑戦を応援できる教師になりたいです。」
と言いたいなら、
「挑戦を支えた経験」
「自分も挑戦して支えられた経験」
そういうエピソードを選ぶ。
次に、コンパクトにまとめる。
エピソードが長すぎると、聞き手は迷子になる。
必要なのは、「背景 → 出来事 → そこから何を学んだか」だけ。
シンプルに、リズムよく。
たとえば──
背景:「大学のボランティア活動で、小学生の野外活動をサポートしました。」
出来事:「怖がる子どもに寄り添い、最後までチャレンジできるよう励まし続けました。」
学び:「子どもたちは、安心できる存在がいるだけで、ぐっと力を発揮できると実感しました。」
これだけで十分。
面接官が知りたいのは、あなたのストーリーの“全部”じゃない。
“エッセンス”だ。
さらに、気持ちを込める。
エピソードは、感情が動いた瞬間を語ると強い。
「嬉しかった」「悔しかった」「誇らしかった」──
その感情こそが、聞く人の心を動かす。
また、オチはいらない。
「こんなすごい成果を出しました!」という結果自慢をする必要はない。
面接で大事なのは、結果よりプロセスと気づき。
自分がどう考え、どう行動し、何を学んだか。
そこを、真っすぐ話せばいい。
そして最後に、「教員になったらどう活かすか」につなげる。
エピソードは、未来に橋をかけるためのものだ。
「この経験を活かして、子どもたちに寄り添える教師になります。」
「だから私は、子どもたちの小さな挑戦を大切にしたいです。」
そんなふうに、必ず未来志向で締めくくろう。
エピソードトークは、あなたを語る最高の武器だ。
思いを、経験を、未来への意志を。
すべて一つの流れで、相手に届ける。
面接官が知りたいのは、「あなたがどんな人か」。
なら、あなた自身の物語を、あなたの言葉で、語ろう。
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